可視化試行はとりあえず…否認事件まで拡大

江田五月法相が8日に試行範囲拡大を検事総長に指示したため最高検が9日、裁判員裁判対象事件での取り調べの録音・録画(可視化)の試行範囲を否認事件にまで拡大。全国の地検、高検に要請した。
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だが可視化立法化の前に1年間試行結果を検証し、立法化実現は2~3年先。
可視化立法化は自民党では実現不可能、みんなの党すら期待できない。民主党に政権交代当初の期待は萎み、唯一期待していることだが、立法化まで政権が維持できるのか懸念が残る。
もう一つの問題は、元々全面可視化に消極的な検察が「信頼関係が構築されず、真実の供述が得られなかった」と意図的にしくじる危険が高い。(郵政民営化直後は年賀ハガキが元旦に届かず大幅に遅れ、民営化の弊害とされた)

否認事件への可視化拡大試行を指示…最高検

最高検は9日、裁判員裁判対象事件のうち、容疑者が自白した事件に限って実施してきた取り調べの録音・録画(可視化)について、否認事件にも拡大して試行するよう全国の高検や地検に指示した。
江田法相が8日、笠間治雄検事総長に可視化の拡大を指示したことを受けた措置で、1年後に試行の検証結果をまとめて公表する。
検察当局はこれまで、容疑者の自白が任意になされたことを裁判員に分かりやすく立証するため、主に調書の作成後に、検察官が調書の内容を読み聞かせる場面を可視化してきた。
これに対し、否認事件で可視化を行うことは、冤罪防止が主な目的となる。このため否認している容疑者が言い分を説明している場面や、逮捕直後の取り調べなども可視化の対象となる。ただ、容疑者が拒否したり、通訳の協力が得られなかったりした場合は行わないとしている。
(2011年8月9日20時20分 読売新聞

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否認事件も可視化実施を通知 最高検、裁判員事件で

最高検は9日、裁判員裁判対象事件で実施している取り調べの一部の録音・録画(可視化)について、否認事件も含め原則全ての事件で行うよう全国の高検や地検に通知した。従来は、自白した場合のみに実施していた。容疑者が拒んだ場合は撮影しないという。
可視化の制度化を検討している法務省の勉強会がまとめた調査報告書を受けて、江田五月法相が8日、可視化の範囲を拡大するよう笠間治雄検事総長に指示していた。
裁判員裁判対象事件の可視化は、自白の任意性を裁判員に分かりやすく立証する目的で導入されたため、否認事件での撮影はこれまで行われていなかった。
(2011/08/09 19:44 【共同通信】 47NEWS)

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裁判員裁判の事件、否認でも可視化を試行

最高検は9日、裁判員裁判対象事件での取り調べの録音・録画(可視化)の試行範囲を否認事件などにまで拡大するよう全国の地検、高検に文書で要請した。法相が8日に試行範囲の拡大を検事総長に指示したのを受けた措置。最高検は様々な試行事例を積み上げ、検証結果を1年後をめどに公表する。
最高検によると、裁判員裁判対象事件では、容疑者が拒否したり、通訳が必要な場合などを除き、全事件を可視化の試行対象とする。
同事件では従来、容疑者の自白の任意性を立証する目的で、自白した供述調書を容疑者に読み聞かせる場面を中心に録音・録画してきた。今後は、容疑者が否認している場合や逮捕後早い段階での取り調べ、供述調書を作成していない取り調べの状況などについても、現場の検察官の判断で録音・録画を実施する。
◇  検察庁が裁判員裁判対象事件での取り調べの可視化について、試行範囲の拡大を決めたことを受け、中野寛成国家公安委員長は9日の閣議後の会見で「範囲の拡大が真相解明に支障を来さないことへの配慮が必要」などと江田五月法相に要請したことを明らかにした。
(2011/8/9 19:38 日本経済新聞)

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裁判員対象事件での取り調べ可視化、
否認事件にも拡大 最高検指示


最高検は9日、裁判員裁判対象事件での取り調べの録音・録画(可視化)対象について、容疑者が自白している事件に限っていた従来の指針にとらわれず、否認事件でも実施するよう、全国の高検、地検に裁判員公判部長名で指示した。
江田五月法相が笠間治雄検事総長に対し8日、否認事件などへの対象拡大を指示したのを受けたもの
平成18年から検察が開始した裁判員裁判対象事件の可視化は、目的を「自白の任意性の立証」に限定していたが、今後は、否認中の弁解を録音・録画することも可能になる。
(2011.8.9 17:42 MSN産経ニュース)

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取り調べ可視化:否認事件も 1年試行し検証--江田法相

江田五月法相は8日、取り調べの録音・録画(可視化)の運用拡大を検察に求める法務省内勉強会の検討結果を公表した。裁判員裁判の対象で容疑者が自白した事件などで既に可視化は試行されているが、冤罪(えんざい)防止の観点を取り入れ、否認事件も新たに試行すべきだとした。可視化の立法化に向け、今後は1年間の試行結果を検証して公表し、法制審議会に制度化のための議論を委ねる。【石川淳一】
江田法相は笠間治雄検事総長に検討結果を踏まえた指示文書を手渡した後、記者会見。「法制審議会での議論に十分な素材が必要」と強調し、可視化の試行範囲の拡大を求めたことを明らかにした。
検察は08年以降、殺人などの裁判員裁判対象事件のうち容疑者が自白した事件で録音・録画を原則試行してきた。容疑者が調書を確認し署名する場面などを対象とすることが多い。09年の民主党政権移行後は千葉景子法相(当時)がマニフェストに基づき省内勉強会を設置し、法整備に向け検討を続けていた。
省内勉強会の検討結果は、既に試行している裁判員裁判対象の自白事件や知的障害者の事件に加え、裁判員裁判対象の否認事件も可視化試行の対象とするよう求めた。検察は従来、可視化の主目的を「自白の任意性の効果的な立証」と位置づけていたが、検討結果は無理な取り調べで作成された虚偽の自白調書による冤罪を防ぐことが重要とした。
否認事件も対象に加わることで、裁判員裁判対象事件は原則全事件が録音・録画の試行対象となる。対象範囲も拡大し、逮捕直後や供述調書作成前の取り調べも対象とする。
ただし、日本弁護士連合会などが強く求めてきた取り調べ全過程での実施は「弁護人が視聴する負担などが大きく、取り調べの機能を害する恐れもある。一律に録音・録画を義務づける制度は適当でない」とした。任意段階の可視化も相対的に必要性が低いなどと否定的な姿勢を示した。
裁判員裁判対象事件での容疑者1人当たりの取り調べ時間は平均43時間14分で、全事件平均21時間35分の倍以上。殺人事件は51時間12分だった。今回新たに試行対象とした否認事件ほど調べが長くなる傾向にあり、自白維持の事件が平均19時間57分だったのに対し、否認維持は27時間53分だった。

◇立法化は2~3年先に
省内勉強会の検討結果は、可視化を試行にとどまらせず、立法によって制度化する一歩と位置づけられる。ただし、実現は2~3年先となる見通しだ。

民主党政権への移行当初、法務省内には「警察も検察も受け入れられる法案にして、早ければ12年通常国会への提出」との見通しもあった。昨秋には大阪地検特捜部による証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件が発覚し、議論はさらに加速するとみられた。
だが、事件を受けた「検察の在り方検討会議」は今年3月、可視化で自白が得にくくなり、司法取引など新たな捜査手法導入の是非も議論する必要があると提言した。これを受け、江田法相も5月、刑事司法全体の改革を法制審議会に諮問した。

◇知的障害疑いの39容疑者で実施 一部は全過程
法務省は8日、知的障害の疑いのある容疑者45事件39人に対し、7月末までに取り調べの録音・録画を実施したと発表した。
一部は全過程の録音・録画を実施したが、件数は明らかにしていない。
このほかに、地検特捜部と特別刑事部も、計10事件18人に録音・録画を実施した。
(2011年8月9日 毎日新聞 東京朝刊)

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取り調べ可視化、検事9割「真実の供述困難」 導入前向きも効果に賛否… 
 
法務省の勉強会が8日に公表した取り調べの録音・録画(可視化)に関する調査結果。検事アンケートで大半が可視化を前向きに受け止める一方で、約9割が「真実の供述を得ることが困難になる」と回答した。また、これまでに実施された一部の可視化で、公判で自白の任意性が争われたケースはほとんどなく、全過程の可視化の必要性に疑問符がつく形となった。

■司法取引、通信傍受…
今回の調査では、検事1100人を対象にしたアンケートを実施。約77%が「適正な取り調べの確保に効果がある」と回答。このうち約20%が「全過程を可視化すれば効果がある」、約57%が「一部であっても効果がある」と回答した。
一方で、可視化によって「真実の供述の獲得が困難になる」と回答した検事は約91%に上り、可視化の効果に賛否が分かれた。
多くの検事が、取り調べの比重が大きい現在の刑事司法制度に“限界”を感じている様子も浮かぶ。
「真相解明のために、現在の捜査手法では十分ではない」と回答した検事は約86%に上り、容疑者の供述を獲得しやすくする具体的な制度として「司法取引」(515人)を求める意見が最多。また、供述以外の客観的証拠を入手しやすくする制度は「通信傍受の拡大」(364人)を求める意見が最も多かった。

■「名前は勘弁してくれ」
「供述を得なければ摘発できない事件が山ほどある」。ベテランの検事、警察官計42人を対象にしたヒアリング調査では、取り調べや自白の重要性を訴える意見が目立った。
多くの検事らが「特捜部の事件では『絶対名前を出さないでくれ』といって情報提供する容疑者は相当程度いる。情報を端緒に立件できなくなる」などと可視化導入による捜査への弊害を指摘。「罪を犯した人間が自白し、処分について納得し、服役することが再犯防止、治安の維持につながる。否認のままでは隔離の効果しかない」として、取り調べの必要性を訴える意見もあった。
一部では、全過程の可視化のプラス面を主張する意見もあり、理由として「容疑者の虚偽の主張に公判で反論しやすい」「容疑者の不合理な弁解の変遷を映像で残すことができる」などを挙げた。

■少ない任意性の疑い
今回の調査では、自白が自発的に行われたかどうか「任意性」が公判で否定されたケースが極めて少ないことも顕著となった。
検察が一部可視化を導入した以降の平成21年の1年間で、1審判決が出た事件は7万4982件、裁判員裁判事件は1653件。
これに対し、22年6月からの1年間で任意性が争われたのは218件(約0・3%)で、裁判員裁判対象事件は61件(約3・7%)。裁判所が「任意性に疑いがある」と判断したのは9件(約0・01%)、裁判員裁判対象事件は1件(約0・06%)だった。
勉強会では「一部の可視化でも効果を認めることができる」としている。
(2011.8.8 21:58 MSN産経ニュース)

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