フィリピンの中国領事館前で抗議デモ

南シナ海の浅瀬付近で、中国が領有権を主張しフィリピンと中国の船が対じする状態が続くなか、中国はフィリピン産の果物に対する検疫を強化するなどの対抗措置。首都マニラでは中国大使館前で、市民が中国の不当な対応を非難した。


比 マニラで領有権巡る反中デモ
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フィリピンと中国が領有権を主張する南シナ海の浅瀬付近で両国の船が対じする状態が続くなか、フィリピンの首都マニラの中国大使館の前で、11日、中国への抗議デモが行われました。
この問題は、先月10日、南シナ海の浅瀬のスカーボロー礁で、フィリピン海軍のフリゲート艦が中国の漁船を取り締まろうとしたところ、中国の海洋調査船がこれを阻止したもので、周辺海域では、1か月を過ぎた今も双方の船が対じしています。
こうした事態を受けて、マニラの中国大使館の前では、11日午後、市民ら150人近くが集まって抗議デモを行い、「スカーボロー礁はフィリピンの領土だ」とか、「中国は船を引き揚げろ」などと訴え、中国政府の対応を非難しました。
参加した男性は「中国は一方的に領土を奪おうとしており不当な行為だ」と話していました。
一方中国では、今月2日、各地の検疫当局に対し、バナナなどフィリピン産の果物に対する検疫を強化するよう指示が出されました。
フィリピンのバナナ栽培業者でつくる団体によりますと、大連など中国各地の港で、フィリピンから輸入されたバナナが、これまでに合わせてコンテナおよそ800個分留め置かれているということで、中国による事実上の対抗措置ではないかとの見方が出ています。
中国はフィリピン政府を非難
フィリピンの首都マニラの中国大使館の前で中国への抗議デモが行われたことについて、中国外務省の洪磊報道官は、11日の定例会見で、「フィリピンが大衆を扇動して、中国大使館へのデモを引き起こしたことは当面の事態を複雑化させ、拡大させる間違ったふるまいだ」と述べ、フィリピン政府の対応を強い調子で非難しました。
そして、「われわれはフィリピンが適切かつ有効な措置を取り、中国の主権を尊重し、事態をさらにエスカレートさせる行動をとらないよう改めて要求する」と述べました。
一方、洪報道官は「外交ルートを通じて当面の事態を解決するという立場に変化はない」と述べ、フィリピン政府との間で事態の沈静化に向け話し合いたいという考えも示しています。
(5月11日 22時21分 NHK)

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フィリピンで反中デモ=南シナ海領有権めぐり抗議
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【マニラ時事】南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐり中国との対立が深まるフィリピンで11日、反中デモが行われた。スカボロー礁付近では4月10日から両国の船のにらみ合いが続いて緊張が高まっており、約200人のデモ参加者はマニラの中国領事館前で「スカボロー礁はわが国のものだ」などと抗議した。
 デモ主催者の一人である政党アクバヤンのマリー・カブレロス氏は「われわれは小国かもしれないが、わが国の主権は踏みにじらせない」と強調。参加者はフィリピン国旗を振りながら、「中国はフィリピンの領海に侵入するな」「中国はパナタグ礁(スカボロー礁のフィリピン名)から撤退せよ」と書かれたプラカードを掲げて気勢を上げた。(2012/05/11-19:43 時事通信)

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フィリピンの中国領事館前で抗議デモ 南シナ海問題

【マニラ=佐竹実】南シナ海のスカボロー礁でフィリピンと中国が領有権争いを続けている問題で、比の左派政党アクバヤンは11日、マニラ首都圏の中国領事館前で抗議デモを行った。数百人の市民らが参加し「中国よ、(スカボロー礁から)引き返せ」と連呼した。大統領報道官は11日、デモについて「政府としては関係ない」と表明した。デルロサリオ外相は、中国の旅行会社が安全が確保できないとしてフィリピンへのツアー予約を停止したことについて「誤った情報に基づいている可能性がある。フィリピンへの旅行者は安全だ」と述べた。
(2012/5/11 20:25 日本経済新聞)

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フィリピンの中国領土黄岩島奪取は 白昼夢

先月8日にフィリピンの軍艦が作業中の中国漁民をだ捕する事件が発生してから1ヶ月経ちました。この事件に対して中国はずっと自制と忍耐の態度を取り、平和的な手段による紛争の解決を主張してきました。しかし、フィリピンはこれを完全無視して、外交交渉を回復するなどといった情報を撒き散らすと同時に、世界中で反中国のデモ行進を策動したりして、事態をさらにエスカレートさせています。

フィリピンはなぜ黄岩島問題で紛争を引き起こしたのでしょうか?
フィリピンが黄岩島問題で紛争を引き起こしたのは、3つの戦略的狙いがあります。1つ目は、フィリピンの領土拡張戦略がどれほど国際社会から認められるかを確かめることです。フィリピンは、200海里排他的経済水域内の島々はみな自国の領土だと主張しています。フィリピンのこの主張を国際海洋裁判所が認め、中国がこれを認めざるを得ない事態になってしまったら、非常に厳重な結果を招きかねません。それは、中国領有の礼楽礁や中業島などはすべてフィリピンの領土になってしまいます。また、その他の国々もその真似をして、排他的経済水域内の島々を自国のものにしてしまいます。こうなれば中国の海岸線から200海里離れた島々はどんどん他国に略奪されてしまうばかりか、合法化されてしまいます。2つ目は、国家主権や領土保全を守る中国の最低ラインを探ることです。また、中国は戦略的好機を守るために領土と引き換えに平和を得ることができるのか。それから、平和な成長を目指している中国は挑発に直面して戦争という手段を訴えるかどうかを確かめることです。3つ目はアメリカとフィリピンの軍事同盟関係を確かめることです。フィリピンとアメリカとは本当に肩を並べて戦う同盟関係なのか、また、どんな無茶なことをしても、アメリカはフィリピンの安全を守ってくれるかどうかを確かめます。
一方、フィリピンが黄岩島問題で紛争を引き起こした狙いは、5つあります。1つ目は、アメリカを後ろ盾として自らの勢いを中国に見せびらかすことです。2つ目は、アメリカのアジア太平洋戦略において先陣を切って、アメリカが使い捨てた兵器をただでもらいたいためです。3つ目は、アキノ3世政権に対する国民の不満と怒りを南海紛争に向かわせること。4つ目は、今後の経済発展を図るために南海の天然ガス資源をどうしても手に入れたいこと。5つ目はASEANでリーダー的存在をアピールするために、中国と対抗できるASEANの一部の国を手に入れたいことです。
黄岩島事件はフィリピン側の挑発によって発生したものです。中国は平和的交渉による紛争の解決を何回も表明してきました。紛争解決の鍵はフィリピン側にあります。中国は、交渉による紛争の解決を図る用意があり、また事態の長期化や武力化に備える準備もできています。現在、フィリピン側にとって3つの選択肢しかありません。
1つ目は、軍艦を撤退させること、これはお互いにとってベストな選択かもしれません。
2つ目は、中国と長期的に対峙し、最後に失敗を喫してしまいます。これはフィリピンにとって悲惨な結末となります。
3つ目は、さらに摩擦と衝突を引き起こすこと。これは、フィリピンにとって最悪の事態となります。
選択肢によって異なる結果となりますが、フィリピン側が考えに考えを重ねて行動に出ることを期待します。
(2012-05-11 16:38:18 中国国際放送)

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「フィリピンは身の程知れ」 中国が強硬姿勢

南シナ海の領有権紛争
「中国の古い言葉に『勢い使い尽くすべからず。事絶を做(な)すべからず』(勢いを使い尽くさず、物事は極端になすべきではない)という言葉がある。フィリピンは身の程を知るべきだ」(人民日報)
「最後まで行けば、誰が先に倒れるか様子を見よう」(環球時報)
南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐる中国とフィリピンの紛争で、中国政府が攻勢を強めている。外交的圧力、武力誇示に続き、経済制裁措置までも講じ、フィリピンを圧迫している。官営メディアの報道もエスカレートしており、中国と領土紛争を抱える日本やベトナムにも強硬姿勢を見せつけるかのような対応ぶりだ。
領土問題がデリケートな事案だということを考慮しても、世界の2大国家としてはふさわしくない高圧的かつ感情的な対応だとの非難も出ている。

■高圧的な脅迫攻勢
周辺国との領土、海洋紛争で、中国の強硬姿勢は今に始まったことではない。中国紙・環球時報は昨年10月、韓国とフィリピンが中国の違法操業漁船に対する取り締まりを行ったのに対し「両国が態度を改めなければ、大砲の音を聞く覚悟が必要だ」と脅した。また、インドとベトナムが昨年9月、共同で南シナ海での油田開発に合意すると、同紙は「中国を刺激するならば、代価を払わせる」と主張した。
スカボロー礁をめぐる中国とフィリピンの対立は、4月8日に周辺海域で操業中だった中国漁船を取り締まろうとしたフィリピンの艦船とそれを阻止しようとした中国の哨戒艦がにらみ合ったことをきっかけに、1カ月以上続いている。
こうした領土問題に関するメディアの報道もエスカレートしており、商業的性格から過激な見出しが躍る環球時報だけでなく、これまでトーンを抑えてきた中国外務省、人民日報なども露骨に軍事行動を示唆している。
中国の傅瑩外務次官は今月8日、今回の問題でフィリピンのアレックス・チュア駐中大使を呼び出し「緊張を高めるフィリピン側の行為に対応する万全の準備ができている」と警告した。状況が思い通りにならなければ、武力を行使することもあり得ると示唆した格好だ。人民日報海外版も社説で「これ以上耐えられなければ耐えるな」と一戦を辞さない構えを強調。解放軍報も10日付紙面で「中国が自制しているからと言って、中国を紙でできた竜と考えるのは大間違いだ。いかなる奇計を講じようとも、中国の領土を少しでも奪えると思うべきではない」と主張した。
香港の衛星テレビ局、鳳凰衛視(フェニックステレビ)の解説者、傅暁田氏は「中国がフィリピンを軍事的に攻撃すれば『10歳の男の子が5歳の坊やを殴って、けがをさせた』と言われるはずだ」と述べ、中国国内の過熱したムードに懸念を示した。

■経済を武器に
経済制裁も本格化している。9日からは北京、上海、広州などでフィリピンへの観光旅行を中止する措置が相次いで取られた。フィリピンを訪れる年間300万人の外国人観光客の20%を中国人が占めていることを踏まえた圧力だ。さらに、今月初めにはフィリピンからの輸入果物に対する検疫も大幅に強化された。
中国は2010年、日本との尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権紛争がエスカレートした際にも経済制裁を断行した。バッテリー、半導体、ハイブリッド車など先端製品の生産に欠かせないレアアースの輸出を中断し、日本を「降伏」させた。中国は世界のレアアース市場で90%のシェアを握る。
しかし、世界貿易機関(WTO)に加盟する世界最大の貿易国・中国が中東・アフリカの一部国家のように、資源を武器化したことについては、国際社会から非難の声が少なくなかった。

■無理な主張も
領土、領海に対する執着が度を過ぎ、無理な論理が登場することもある。2010年に韓中間で排他的経済水域(EEZ)の海上境界画定に関する交渉を行った際、中国は「中国の海岸線は長く、漁業従事者も多いため、韓国が主張する中間線を基準にEEZを定めてはならない」と主張した。これについて、韓国外交通商部(省に相当)は「国際海洋法に根拠がない無茶な論理だ」と反論した。
スカボロー礁をめぐっても、フィリピンは国際海洋法裁判所の仲裁による解決を提案したが、中国はそれを拒否した。北京駐在の外交関係者は「中国は民族主義と力の論理だけで問題を解決しようとしている」と指摘した。
北京= 崔有植(チェ・ユシク)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
(2012/05/11 10:46 朝鮮日報)





【関連:圧力強化】
中国、フィリピン製品の検疫強化 背後に領有権争い?

中国税関総署が10日発表した4月の貿易統計によると、輸出は前年同月比4.9%増の1632億5千万ドル(約13兆円)、輸入は同0.3%増の1448億3千万ドルだった。中国を含む経済の低迷を映して、伸び率は3月の輸出8.9%増、輸入5.3%増から鈍化した。
1~4月の輸出は6.9%増、輸入は5.1%増で、中国政府が通年の目標とする10%程度を下回っている。
一方、中国国家品質監督検査検疫総局は10日までに各地の検疫局に対して、フィリピンから輸入されている果物から害虫が頻繁に検出されているとして、検査を増やすなど検疫強化を求める通達を出した。南シナ海のスカボロー礁(黄岩島)の領有権をめぐって対立するフィリピンへの「嫌がらせ」との見方が広がっている。(北京)
(2012年5月10日21時40分 朝日新聞)

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南シナ海・スカボロー礁 中国、フィリピンツアー中止、経済的圧力も
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10日、南シナ海のスカボロー礁で、フィリピン海軍の調べを受ける中国漁船。捜査をきっかけに、中比両国の巡視船などがにらみ合いを続けている(フィリピン海軍提供・共同)

【上海=河崎真澄】10日付の中国紙、東方早報などによると、中国の旅行会社がフィリピンへの中国人渡航ツアーを相次ぎ中止し始めた。
両国の間で南シナ海のスカボロー礁の領有権をめぐる対立が続く中、同紙は「対中経済依存を強めるフィリピンに対し中国が切り札を使った」などと表現。中国が経済的な対抗措置に踏み切った、との認識を示した。
フィリピンへの渡航ツアーを中止したのは、中国青年旅行社や春秋国際旅行など大手代理店から、ネット販売型の旅行会社も含む大半の業者。11日にフィリピンで反中デモが予定されているなどとして、「観光客の安全確保のため」と中止理由を説明している。
また、中国国家品質監督検査検疫総局は、バナナなどフィリピン産の果物に対する検疫を強化するよう各地の検疫局に通達した。その理由についてフィリピン産の果物から害虫が検出されたとしている。
中国は2010年9月に日本の尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件でも、レアアース(希土類)の対日輸出を事実上停止。さらに日中間の交流活動を中止するなどの措置を取った。
(2012.5.10 19:25 MSN産経ニュース)

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