万引き客の顔写真を店内に張出し

大阪市内にある鮮魚店が一向に減らない万引き被害に、自衛手段として顔写真を店内に張り出した。
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万引きした客の顔写真を店内に張り出す 今度は大阪の鮮魚店、人権問題は?

店で万引きした客の顔写真を店内に掲示している店が大阪市北区にある、などとネットで大騒ぎになっている。万引きを発見しても警察には届けないかわりに、「私は万引きしました」というプラカードを持たせて撮影し、無期限で掲載するという。ただし、罰金の1万円を払えば撮影は免れる。
ネットでは「これくらいの罰は必要」「人権問題にならないか?」などと議論になっている。過去にも万引きした客の写真を張ったり、ビデオ撮影して売ったりした店があり、警察や法務局から止めるように注意されても従わなかった例がある。この店でも「辞めるつもりはありません」とJ-CASTニュースの取材に答えている。

万引きを見つけた人には謝礼を1万円出します
この店は鮮魚店で、刺身やすし、ウニなどのパック物を主に販売している。ネットで調べると、商品は新鮮でボリュームがありしかも安く、売り切れもあるなど人気の店らしい。この場所にオープンしたのは2005年だそうだが万引きが確認できただけで年間数十件あり、同じ人がまた万引きしたことに危機感を持って写真を出すことにしたのだそうだ。現在は30代から70代の8人ほどの写真を出している。また、「お小遣いかせげます!」の張り紙もしていて、万引き行為を発見し店に知らせると謝礼に1万円を支払うという万引き対策を行っている。
こうしたことが朝日新聞の電子版で13年05月27日に報道されるとネットで、
「もっとやれやれ。これが正しい方法。それと万引きなんて言葉は廃止。『窃盗』で」
「これはあきらかに人権侵害だし貧困者への挑戦だ。絶対に許さない」
「窃盗犯人の人権を考えて擁護するなんて間違っている」
などと大騒ぎになった。

実は、万引きした人の顔写真を店内に掲示するという「万引き防止策」は過去にも様々な店で行われ、問題になってきた。99年7月には兵庫県加古川市のコンビニチェーン店が、商品を万引した疑いがある少年たちの写真を防犯ビデオの映像からプリントし店の入り口に「サンドイッチを万引」「見かけたらお知らせください」などと書いて掲示した。被害が店の死活問題にまで拡大したとの理由からで、本部から注意されても掲示をやめなかった、と当時の新聞は報じている。
こうした万引き対策で最も有名だったのが92年から始まった福島県いわき市の書店での騒動だ。

客の様子を撮影し「月刊ザ・万引」ビデオを販売した書店も
この書店では、少年たちが店内で万引きしている様子を5台の防犯カメラで撮影しビデオに収録、「ザ・万引き」として280円で販売していた。ビデオは全部で100巻作り完売、万引きは無くなったという。そして、ビデオに写っていた中学生が謝罪に来ても追い払い、親が抗議の電話をすると「万引きの償いはしなければならない」と返した。福島地方法務局や警察署が「少年の人権を侵害する」と販売中止を求めたが応じなかった。93年8月8日には新たに「月刊ザ・万引」を創刊し、330円で売り出して完売。96年にも大人2人、高校生ら若者6人が万引きするビデオを390円で販売している。
チェーン店全店で取り組んだ例もある。群馬県高崎市に本部のある当時10数店舗あったディスカウント店が入り口に万引きをした人の写真を掲載するという告知を出し、レジの後ろに男女2枚のカラー写真を掲示した。万引きした人を捕まえて撮影したものだ。レジ近くには「入店お断り名簿」があり、百枚近い顔写真がとじられていた。前橋地方法務局は「人権への配慮を欠く、として94年末から中止を申し入れたが、96年4月にはレジ後ろの写真をこれまでの2枚から5枚に増やした。写真の下には写真の下には入店を断っている人たちだとし「見つけ次第知らせて下さい」と書かれていたと報じられた。
法務局や警察などから注意を受けても止めずにますますエスカレートして行った過去の例があり、それだけ万引きに対する憎悪があるのだろう。今回の鮮魚店も取材に対し、
「万引きをなくすためにやっていることなので、これからも写真の掲載などをやめるつもりはありません」
と話している。

(2013年05月28日18時22分 J-CASTニュース)

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万引き客の顔写真、張り出し 大阪の鮮魚店が強硬自衛策 

【沢木香織、吉浜織恵】万引き客の顔写真を、店内に張り出す鮮魚店が大阪市内にある。1品1万円の「罰金」を払えば撮影は原則免除される。ちょっとやり過ぎではと忠告されるが、一向に減らない被害に、経営者は「やめるつもりはない」と強硬だ。
「警告!」と題した店内の張り紙に、こうある。
当店で万引き等の行為を発見・確認した場合、警察には通報せず、犯人の顔写真を撮影し、店頭に貼らせていただきます(無期限)
「お小遣いかせげます!」という別の張り紙も。
万引き行為を発見・お知らせいただくだけで1万円!!
添え書きに「万引き犯の罰金(1品につき現金1万円)をそのままお渡しいたします」とも。
5月下旬、30~70代の男女4人の写真8枚が、壁に貼られていた。魚やすし数点を万引きしたという。女性2人は「私は万引きしました」と書いたカードを持たされている。みなこわばった表情だが、撮影には抵抗しなかったという。
店によると、商売を始めてしばらくは、万引き客を警察に突き出していた。しかし2005年に今の場所で開店してからは、口頭で注意するだけのソフト路線に。だが被害は減らず、年数十件ペースで続いた。一度注意した人が他店で万引きしたと聞いたのを機に、強硬策に踏み切った。
それから約1年。効果はてきめんで、被害は数件に減った。この間、商品1点につき1万円を払って撮影を免れた人も数人いたという。
自治会や客から「訴えられるよ」と注意されたというが、経営者の男性は「商品をこっそり袋に入れる姿を一度見たら、疑心暗鬼になり客の手元ばかり見てしまう。こちらは被害者。やめるつもりはない」ときっぱり。

■プライバシー侵害の恐れ

万引き客の写真を店に掲示したケースは、関東地方のコンビニやディスカウント店で1990年代にあり、いずれも法務局が「人権上の配慮を欠く」と中止要請したり、店側から事情を聴いたりした。
司法に頼らない、市民による「私刑」ともいえる行為。問題は2点ある。人権問題に詳しい大阪弁護士会の大川一夫弁護士によると、写真は「予防のため威嚇するだけならよいが、実際にやるのは前科を流しているのと同じで、プライバシー権の侵害に当たる」。1万円の「罰金」は「損害賠償」と解釈できるが、その場合でも「相手の承諾なく額を決め、一方的に押しつけるのはおかしい」と指摘する。
万引き倒産があるといわれる書店業界も、「不愉快はわかるが、顔写真や1万円徴収は行き過ぎ。『定価の3倍を請求する』との警告など、とられない対策が重要だ」(金田喜徳郎・大阪府書店商業組合事務局長)と同情的ではない。
とはいえ、万引きの被害は深刻だ。12年の調査(NPO法人全国万引犯罪防止機構・東京都)で、スーパーや百貨店など小売り296社の被害は推計350億円超。1社あたり年平均247件にのぼる。
万引き防止策として、「客への声かけ」(85・3%)、「防犯カメラの設置」(78%)、「警備員の配置」(44%)などを進めているが、それで万引きが減る傾向にあると回答したのは全体の25・4%どまり。
従業員が警察対応に要した時間を時給換算するなど、損害賠償を請求する企業は30社あったが、それでも大半が「減少につながらない」と答えている。
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〈万引き〉 窃盗罪で、10年以下の懲役か50万円以下の罰金が科される。2011年の認知件数は全国で14万1564件。大阪では8377件と過去10年で最悪だった(警察庁)。過去に同様の犯罪歴がない、被害が少額などの場合、厳重注意で済ませる「微罪処分」も多く、大阪府警では万引きした人の約4分の1を占める。
(2013年05月27日11時41分 朝日新聞)




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