虚偽報告問題で、伊勢原署・署長が被害者に謝罪

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神奈川県警・伊勢原署の警部補がウソ報告をしていた問題で、署長は「事件は防げたかもしれない」と認めて被害者に謝罪した。




伊勢原の切り付け:殺人未遂で元夫起訴 防止の機会失う 警官の判断ミス、虚偽報告で /神奈川

伊勢原市の路上で女性(31)が元夫に刃物で刺され重傷を負った事件は、担当警察官による虚偽報告などが明らかになり、事件を未然に防げた可能性が出てきた。県警は13日、県警本部に全署の生活安全課長らを集めて臨時会議を開き、情報共有の徹底など再発防止を指示した。殺人未遂罪などで起訴された元夫の貞苅詩門(さだかりしもん)被告(32)から長年逃れ続け、救いを求めた女性の声に、警察はなぜ応えられなかったのか−−。【河津啓介】
シグナルは事件の約1カ月前、4月20日にあった。女性が自宅近くにカメラのようなものが入った箱を積んだ不審な自転車があるのに気づき、過去のドメスティックバイオレンス(DV)被害を伝えた上で「元夫だったら心配」と伊勢原署員に訴えた。
県警によると、自転車の所有者と連絡は取れなかったが、防犯登録から探偵業者と関連があることが判明。事件を担当した同署生活安全課のDV・ストーカー担当警部補(49)は同22日に探偵業者に連絡し、「関係ない」との回答を得た。ただ、被害者や自転車の所有者への連絡は「失念していた」という。
ところが、担当警部補は5月21日の事件直後の内部調査で「防犯のため被害者の携帯電話に連絡したが出なかった。着信履歴を残したので折り返しの連絡があると思った。所有者も連絡が取れなかった」と虚偽報告した。
今月3日、容体が回復した女性の携帯電話を調べると着信履歴が残っておらず、県警が4日に問いただすと、担当警部補は「事態の重大性に怖くなり、うそをついてしまった。保身のためだった」と明かした。当時の対応を検証した県警生活安全部は「探偵業者の関与などを伝えていれば被害者本人が予防措置を取れた」とする。
不適切な対応は他にもあった。
女性からの不審自転車の相談を受け、交番勤務の伊勢原署地域課の警部補(40)と巡査(24)が現場に赴いた。女性は「貞苅被告に6年前まで嫌がらせを受けていた」「2年前に実家で暮らしていた時も、箱を載せた不審なバイクが止められていた」と訴え、「(自転車の)箱の中身を確認してほしい」と要望していたという。
相談内容は巡査が報告書にまとめ、2年前のバイクの件も盛り込んだ。しかし、警部補は「嫌がらせは6年前まで、2年前のバイクの件は時期が合わず関係がない」と削除した。女性の要望も上司に報告せず、箱の中身は確認されないまま、直後に自転車は現場からなくなった。
事件が起きた後の捜査で、貞苅被告は探偵業者に依頼して2011年9月ごろに女性の実家を割り出していたことが判明。女性宅近くにあった不審な自転車も、貞苅容疑者の依頼で探偵業者が設置したものだった。
警部補が「嫌がらせは6年前まで」と相談内容の切迫性を過小評価させるような情報だけを報告したため、監視されているかもしれないとの女性のおびえは見落とされた。

 ◇署内の危機意識欠如
県警生活安全部は、伊勢原署警部補の虚偽報告などを公表した11日、問題の背景に組織的な情報共有や連携、危機認識に不備があったとの認識を示した。
同部によると、4月20日の女性の相談内容について、伊勢原署の荒牧康和署長ら幹部は現場の報告から「嫌がらせは長期間途絶えている」などとして、「第三者が防犯目的で自転車を置いたとみられる」と判断した。
切迫した事案ではないとの署幹部の結論について、県警は「報告漏れが事案の評価を誤らせた可能性はあったにしても、相談の背景にDVがあり、探偵が関連しているならば、署幹部が県警本部との連携や被害者宅の警戒などを考えるべきだった」と指摘する。
また、DV担当警部補が「電話した」と虚偽報告していた件についても「署幹部が担当警部補に対し、被害者や自転車所有者に連絡したかどうかを確認していれば、事件を防げた可能性もある」と署内の危機意識の欠如を問題視した。
こうした問題点を踏まえ県警本部で13日開かれた臨時会議には全署の生活安全課長ら276人が出席した。石川正一郎本部長は「署の担当者が多数の相談を抱え、苦労していることは実感している。しかし、重要性を増す(DVなどの)業務から逃げることは許されない」と訓示した。
昨年11月の逗子ストーカー殺人事件でも、県警が逮捕状の読み上げ時、加害者に被害女性の住所を知らせてしまったことが発覚している。県警は5月24日、ストーカーやDV、児童虐待などが相次いでいることを受け、各署が把握している事案について危険性や切迫性を緊急点検するよう指示した。
13日の会議で石川本部長は「児童や女性、高齢者など、暴力から自らを守るすべを持たない人々を守ることは、県警の最も重要な使命だ」と強調。不祥事が続いて信頼回復の途上だけに「警察改革のエッセンスは、困り苦しむ人を守るために『プロとしての仕事をしろ』との要請である」と語気を強めた。
会議で担当者に呼びかけられた「情報共有や迅速な判断などの徹底」は、「当たり前の基本」(県警幹部)。そうした治安の土台が揺らいでいる危機意識を、県警全体が持てるかが信頼回復の鍵になる。12日に入院先へ謝罪に訪れた荒牧署長に対し、被害者の女性は「逆恨みして何としても仕返ししようとする男がいることを理解してほしい」と求めたという。いわれのない暴力を恐れる弱者の訴えは、重い。

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 ◇事件を巡る警察の対応
4月20日 女性が「自宅近くに不審な自転車」と通報。伊勢原署地域課警部補と巡査に過去のDV被害伝える
      女性の「2年前にも不審なバイク」との訴えを警部補が報告せず
  22日 同署のDV担当警部補が探偵業者に連絡するも「関係ない」と回答。被害者、所有者への連絡は「失念」
      同署幹部が「相談内容の切迫性は低い」と判断
5月21日 女性が元夫に刺される
      DV担当警部補が内部調査に「被害者と所有者に電話した」と虚偽報告
5月24日 県警本部が各署にDV事案などの緊急点検を指示
6月 4日 DV担当警部補が「被害者への電話はうそ」と明かす
  11日 県警が虚偽報告などを公表。「署の情報共有、危機認識に不備」
  12日 伊勢原署長が女性に謝罪
  13日 各署生活安全課長らを集め臨時会議
      元夫が殺人未遂罪などで起訴される
(2013年06月14日 地方版 毎日新聞)

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伊勢原切りつけ 元夫を起訴 県警謝罪「プロの仕事を」

神奈川県伊勢原市で女性(31)が元夫の貞苅詩門(さだかり・しもん)容疑者(32)に刃物で切られ重傷を負った事件に絡み、県警伊勢原署の2人の警部補の対応に不備があり、県警から謝罪を受けた女性が「元夫のように逆恨みする人がいることを理解してほしい」などと話していることが13日、県警への取材で分かった。横浜地検は同日、殺人未遂罪などで貞苅容疑者を起訴した。
女性への謝罪は、伊勢原署の荒牧康和署長が入院先の病院で行った。女性は「何かあったら連絡してもらえると思っていた」とも話したという。
事態を重視した県警は13日、ドメスティックバイオレンス(DV)の担当者らを集めた臨時会議を開き、石川正一郎本部長は「児童や女性や高齢者など自らを暴力から守るすべを持たない人々を守ることは、県警の最も重要な使命。困り苦しむ人を守るために、『プロとしての仕事をしろ』という本質的な要請だ」と訓示した。
県警によると、女性は4月20日に「不審な自転車がある」と通報し、同署地域課の男性警部補(40)が対応。アパート敷地内にカメラを取り付けた自転車が置かれていた。女性は「2年ほど前、実家でボックスの取り付けられたバイクが置いてあった。1日でなくなったので警察には届け出ていない。中身を確認できないか」と相談した。
しかし、警部補は中身を確認しないまま、2年前の事案には触れずに報告書を作成した。この情報が抜け落ちていたため、翌21日に報告を受けた同署幹部は「第三者が防犯目的から置いたのではないか」と認識したという。
女性から相談された際、警部補は「元夫から嫌がらせを受けていたが、6年前くらいになくなった」とも聞いており、「時期的に無関係と判断した」という。県警は「2年前の事案の報告があれば、踏み込んだ措置が取れた可能性がある」としている。
また、相談を引き継いだ同署生活安全課の男性警部補(49)は、探偵が自転車を設置したことを突き止めながら、女性への連絡を怠っていた。
この警部補は当初、「被害者に電話をしたがつながらなかった」と説明。しかし、実際には連絡することを忘れており、「事態の重大性に怖くなり思わず嘘をついた。保身のためだった」と話している。
一時重体だった女性が意識を回復して県警が事情を聴いたことから矛盾が判明して発覚した。
(2013.6.13 22:45 MSN産経ニュース)

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「伊勢原DV殺人未遂」警察ほったらかしウソ報告!署長に反省なし「被害者許してくれた」

神奈川県伊勢原市でDV被害に悩む女性(31)が元夫の貞刈詩門容疑者(32)に包丁で切り付けられた事件で、神奈川県警伊勢原署の荒牧康和署長がきのう12日(2013年6月)、警察の対応に問題があったとして被害者の女性に謝罪した。警察の対応によっては防げた可能性があり、事件が発生しないと動こうとしない警察のあり方がまたしても浮かび上がった。

不審カメラ通報しても取り合わず
レポーターの阿部祐二の報告によると、事件が起きたのは5月21日(2013年)。女性が長男(6)を学校に連れていく途中、貞刈に包丁で首を切られ一時重体となった。約1週間意識不明だったが、ようやく5分ぐらい話ができまでに快復しているという。
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女性は2005年に貞刈と結婚したが、DVが始まりその年の暮れに警察に相談した。翌2006年、裁判所が貞刈に女性への接近禁止命令を出し、離婚後は女性は一時シェルターへ避難し、2009年に伊勢原市に住所を移した。長男には学校で偽名を使わせ、住民票の閲覧を制限する手続きをとるなど、ひっそりと用心深く暮らしていた。
事件の起きる1か月前の4月20日、女性は自宅の敷地内にカメラを取り付けた自転車を発見し警察に通報した。対応した警察官は「ここは私有地なので私有地のものは一切手を付けることはできません」といって中を調べようともしなかったという。
DV・ストーカー担当の警部補は自転車の所有者から探偵業者が関係していると知るが、署の幹部にも女性にもそのことを報告しなかった。「女性に電話したがつながらなかった。携帯に着信履歴を残したので折り返しの連絡を待っていた」と虚偽の説明をしていた。だが、女性の意識が戻ったことでウソが発覚した。
阿部「女性は5月10日に不動産屋に行き、6月9日に引っ越す予定でした。警察の連絡があればもっと早く引っ越し、事件に遭わずに済んだかも知れません」。

神奈川県警は処分検討「対応が正しければ防げた」
コメンテーターのおおたわ史絵(内科医、執筆家)「DV被害に対する危機感が警察全体でもまだまだまだ足りないとおもいますね。DVは殺人につながる怖いものだということを、社会全体で共通認識として持つことが大切ですよ。そうしないと何度も同じことが起きます」
キャスターのテリー伊藤は警察の身勝手さと反省のなさを怒る。「警部補は罪深い。(ウソがばれるので)心の中で女性の意識が戻らない方がいいと思っていたのではないか。署長も女性が穏やか口調で今回のようなことが起きないよう希望したといっているが、まるで許してもらったような言い方だ。1日5分ぐらいしか話せない人が怒れるわけがない。それを勝手に穏やかという表現自分たちが許してもらったような言い方をしている
神奈川県警は「対応が正しれば事件は防げたかもしれない」と認め、処分を検討しているという。
(2013/6/13 15:37 J-CASTテレビウォッチ)

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DV殺人未遂事件「虚偽報告」で担当者ら緊急招集 神奈川県警が

神奈川県伊勢原市の路上で女性(31)が元夫の貞苅詩門(さだかり・しもん)容疑者(32)=殺人未遂容疑で逮捕=に刃物で切りつけられ、一時意識不明の重体となった事件をめぐって県警伊勢原署の男性警部補(49)が上司に虚偽報告をしていた問題などを受け、県警は13日、ドメスティックバイオレンス(DV)の担当者らを集めて臨時会議を開いた。
会議には、県内各署でDV相談などを受ける担当者や本部の生活安全部門の幹部ら約280人が出席。冒頭で、石川正一郎本部長は「児童や女性や高齢者など自らを暴力から守る術を持たない人々を守ることは県警の最も重要な使命。伊勢原事件の教訓を踏まえた一層の奮起をお願いする」と訓示した。
また、県民を守るために自ら努力を尽くすとともに部下や上司にも義務を誠実に果たすことを求めること▽危険を予知する鋭敏な感覚を研ぎ澄ますこと▽自らの行動を正確に振り返り、反省点や教訓事項を率直に受け入れて向上に役立てること-などを指示した。

事件をめぐっては、伊勢原署生活安全課の男性警部補が「注意喚起するために女性に電話をかけた」と上司に虚偽報告。さらに、カメラが取り付けられた自転車が女性宅敷地内で見つかり、女性が貞苅容疑者の関与を疑ったが、同署地域課の警部補(40)が報告書に記載していなかったことが明らかになっている。
(2013.6.13 12:11 MSN産経ニュース)

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神奈川県警本部長「プロの仕事しろ」 虚偽報告問題で

神奈川県伊勢原市で女性(31)がかつて家庭内暴力(DV)被害を受けた元夫(32)に首を切られた事件で、伊勢原署の警部補がうその報告をしていた問題を受けて、県警は13日、県内各署の担当課長らを集めた臨時会議を開いた。
石川正一郎本部長は「危険を予知する鋭敏な感覚を研ぎ澄まし、切迫した事案を的確に抽出して、事件化や被害の未然防止を実現しなければならない。困り苦しむ人を守るために、『プロとしての仕事をしろ』という本質的な要請だ」と訓示。「伊勢原事件の教訓を踏まえた一層の奮起をお願いしたい」と呼びかけた。
事件1カ月前に女性宅近くで不審な自転車が見つかった際の対応について、警部補は「防犯指導のために女性の携帯に電話した」などとうそを報告。探偵の関与も浮上していたが、警部補は女性に連絡しなかった。県警は「女性に連絡していれば、予防措置がとれていた可能性がある」と対応の不備を認めている。
県警はまた、12日に荒牧康和・伊勢原署長が女性に入院先で謝罪した際のやりとりの一部を明かした。
女性は「相談後、何かあったら連絡して頂けるものと思っていた。私の元夫のように逆恨みをして何としてでも仕返ししようとする男もいることを、理解してくれる警察であってほしい」と要望したという。
(2013年6月13日11時13分 朝日新聞)

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伊勢原市の切りつけ事件で神奈川県警が女性に謝罪

神奈川県伊勢原市で女性(31)が元夫に切りつけられた事件で、警察は、事件前の対応に不適切な点があったとして謝罪しました。
伊勢原市の路上で先月、女性の首を包丁で切りつけたとして、元夫の貞苅詩門容疑者(32)が逮捕されました。
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事件の1カ月前、伊勢原署の男性警部補(49)は、女性の自宅前に止められていた隠しカメラ付きの不審な自転車について探偵業者の関与を確認しましたが、女性に連絡しませんでした。
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上司にも「女性が電話に出ない」と嘘の報告をしていました。
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自転車は貞苅容疑者の親族が探偵業者に依頼していたもので、伊勢原署長は12日、「探偵のことを連絡すれば、女性も予防策ができた」と女性に謝罪しました。
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女性は「今回の事件を教訓に、同じことが起きないよう希望する」という趣旨の話をしたということです。
(06/13 08:00 テレビ朝日)

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伊勢原女性刺傷事件:県警対応に不備、逗子の教訓生かされず/神奈川

伊勢原市内で5月、30代の女性が元夫(32)に切り付けられた殺人未遂事件で、県警の不適切な対応が明らかになった。ドメスティックバイオレンス(DV=配偶者らからの暴力)にさらされている女性の身の危険に対する意識が低かった上、DV担当者は「(女性に)電話をかけたが出なかった」とうその報告をし、被害女性に落ち度があったような印象さえ与えた。「配慮すべき点があった」と総括した逗子市のストーカー殺人事件からわずか半年あまり。その教訓は生かされず、また被害者が生まれた。
「女性に連絡していなかった」。伊勢原署生活安全課の男性警部補(49)は今月4日になって、うそを認めた。
女性宅近くで、カメラのようなものが取り付けられた自転車が発見されたのは4月20日。警部補は同22日に所有者の勤務先とみられる探偵業者の事務所に電話したが、「切迫性がない」との理由で女性らには連絡しなかった。上司にはその日のうちに口頭で「(女性は)電話に出なかった」と報告していた。
事件後、自転車を設置したのは元夫側から依頼された探偵業者と判明。警部補は5月29日から計4回、県警の聴取を受けたが、女性の携帯電話に着信記録が残っていないことが今月3日に判明するまで、自ら事実を語ることはなかった。理由について、警部補は「事態の重大性に怖くなった」と釈明しているという。
個人だけでなく組織全体でも、女性への配慮は不足していた。
女性は通報で駆け付けた同署地域課の男性警部補(40)らに「2年ほど前にも不審なバイクがあった」と説明。警部補は、2006年以降、元夫からの嫌がらせがなくなったという女性の説明と「理屈が合わない」と自ら判断、上司への報告書に記載しなかった。事件後の県警の捜査で、元夫は11年9月ごろに探偵業者に依頼、女性の実家を割り出すとともに、女性の暮らしぶりを調査させていたことが判明している。
さらに翌日、当直から不審な自転車について報告を受けた署長は「第三者が防犯目的で設置した」と認識、特段の指示はしなかった。DV事案を統括する県警生活安全総務課が女性の説明を正確に把握したのは女性が意識を回復した後の今月3日で、県警は11日、「地域課などが事態の危険性を共有しながら情報を集約し、幹部の指示を仰いでいれば、さらに踏み込んだ措置ができた可能性があった」と、対応に不備があったことを認めた。
昨年11月、逗子市内で30代の女性が被害に遭うストーカー殺人事件が起きた。殺害した男は事件前、被害女性に大量のメールを送信したが、県警はストーカー規制法の規制対象でないことから事件化を見送るなどした。捜査の結果、伊勢原の事件と同様、男が探偵業者を利用していたことも判明した。
「被害者保護に配慮」「被害者保護の観点から」。ストーカー殺人事件の対応の経緯がまとめられた昨年12月の報告書には、事件の教訓が記されている。
今回の事態を受け、県警幹部は「情報を伝えていれば、女性は予防措置を講じることができた可能性がある」とコメントした。
7年あまり、元夫の影から逃げ続けた被害女性。その命が脅かされた現実は、重い。
(2013年6月13日 神奈川新聞

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被害女性に神奈川県警謝罪 対応巡る警部補の虚偽報告で

【竹野内崇宏】神奈川県伊勢原市で女性(31)が元夫(32)に首を切られた事件をめぐり、県警伊勢原署の警部補が、事件前に署へ相談していた女性への対応でうそを報告していた問題で、荒牧康和署長が12日、女性が入院中の病院を訪れて謝罪した。女性は「今回の事件を教訓にして、同じようなことが起きないように」と希望したという。
女性は一時重体だったが、意識を取り戻しているという。県警によると、女性は事件1カ月前の4月20日、「自宅前に隠しカメラのような箱が載った自転車がある」と伊勢原署に相談。元夫の関与をおそれた女性は、対応した地域課の警部補(40)に「箱の中身を確認してほしい」と求めたが、確認されなかった。
また生活安全課のDV・ストーカー担当の警部補(49)も自転車の所有者から探偵が関与している可能性を認識したのに、女性に伝えなかった。さらに「女性の携帯に1度電話し、折り返しを待っていた」などとうその説明をしていた。
一方、事件の2カ月前に県警が、ストーカー事件などでは「被害者の意向に配慮する」と各署に通達していたことも判明した。昨年11月、神奈川県逗子市の女性が元交際相手の男に刺殺される事件が発生。過去に男を逮捕した際、女性から知らせないよう要望されていたのに、結婚後の姓や住所を逮捕状に記載し、読み上げた失態を受けた通達だった。伊勢原市の事件でも被害女性の相談は深刻に受け止められず、通達は生かされなかった。
(2013年6月13日3時5分 朝日新聞)

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伊勢原の殺人未遂虚偽報告 県警が女性に謝罪

神奈川県伊勢原市の路上で五月、女性(31)が元夫に切り付けられ重傷を負った事件に絡み、県警伊勢原署の警部補(49)が事件前の女性への対応について上司にうその説明をした問題で、署の荒牧康和署長が十二日、女性の入院先の病院を訪れ、女性に謝罪した。
県警によると、荒牧署長は事件前の対応に不手際があったことを説明。女性は、今回の事件を教訓として同じような事件が起きないよう希望したという。
警部補は、事件一カ月前にカメラを積んだ不審な自転車が女性宅前で見つかった際の対応について「女性に防犯指導の電話をかけた」と内部調査で説明したが、実際は電話をかけていなかった。自転車は元夫の貞苅詩門(さだかりしもん)容疑者(32)=殺人未遂容疑で逮捕=が探偵に依頼して置いたことが事件後、判明した。
(2013年6月13日 朝刊 東京新聞)

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