中国人実習生受入に伴う雇用の溝

住居がない中高年ら失業者に、宿泊場所や食事を提供した新政権主導の「公設派遣村」で所在不明者が多数出た問題は非難を浴び、都知事の閉鎖はテレビで報じなかった一方、後藤謙次のTHE NEWSがゴールデンタイムに取上げた「中国人実習生訴え」の特集は、“日本人雇用の喪失”を見事なまでに象徴していた。
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“1日一食月 2万円”
中国人実習生10人 窮状訴え

総力報道!THE NEWS(2010.1/7 19:20頃放送)

食事は1日1回、主にインスタントラーメンやまんじゅうが多く、栄養不足からか気がつくと爪が変色していたという。
リュウさんは他の中国人実習生と9人と共に、東京国立市の建設会社で働いている
・TBS側(記者の顔も名前も明かさず)
えぇ~外には、洗濯機やトイレなどがありこちらにはお風呂と見られる施設もあります。
〔ナレーション〕
リュウさんは達には月13万円の給料が支払われる筈が、2万円から5万円程度しか払われなくなった人もいるという。未払いの金額は次第に大きくなり、そして9月労働基準監督署に訴えると、事態はさらに悪化したという。
・実習生を支援する弁護士
報復措置のような形で翌日からですね仕事を与えられなくなってしまったと。
〔ナレーション〕
リュウさん達は、未払いの総額は少なくとも併せて1千万円以上に上ると訴えている。この問題について、去年暮れに在日中国人向けの新聞社がインターネット上で配信すると、中国の現地大手メディアも報道。中国大使館が動き出す事態となっている。建設会社は今後どう対応するのか?社長に聞いた。
・TBS側
なぜこのような賃金の未払いが起きたのか?
・建設会社社長
一番は売上の減少
・TBS側
月の支払いが、5万‥6万円?それで生活が出来ると思いましたか?
・建設会社社長
それしか支払えなかった。本当に申し訳ないと思ってます。
〔ナレーション〕
社長は給料の未払いを認め謝罪したが、中国人実習生の態度にも問題があったと話す。
・建設会社社長
彼らが仕事をボイコットしたっていう見解でした。
〔ナレーション〕
社長はこう述べた上で、未払いは1,000万円ではなく、およそ500万円で今月末に帰国する5人には今月中に支払うと話した。
〈終〉

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研修・実習生 零細工場で生じた溝

王小紅さん(22)と李蘭霞さん(23)=ともに仮名=の表情は、硬く険しかった。「不公正に扱われたことは許せない」という。だが、「一人の人間として、オーナーを悪い人とは思っていない」とも繰り返した。

昨年9月、長崎・島原市の縫製工場で働く王さんら中国人女性5人が、島原労働基準監督署に労働基準法違反を申告最低賃金を下回る350-400円で、月150時間程度の残業をさせられたと訴えた。「オーナー」とは、2人が働いた工場の社長である。

07年10月、社長夫妻は「私たちを日本のお父さん、お母さんと思ってね」と言って、2人を迎えてくれた。花見を一緒に楽しみ、県内の観光地にも連れて行ってもらった。そんな思い出も語ってくれた2人と別れ、島原市郊外へ向かった。住宅街の一角。縫製工場を示す看板さえない小さなプレハブは、明かりも付かず、静まり返っている。工場は昨年末、倒産していた。

 再び2人の話に戻る。

ともに中国・江蘇省の農村の生まれで、縫製工場で働いていた。月収は約1200元(約1万6千円「日本に行けばもっと稼げる」と上海の人材派遣会社に誘われ、親や親せきに借りて仲介料約4万5千元(約61万円)を工面した。受け入れ先は島原地区の小規模な縫製工場15社でつくる協同組合だった。

1年間は月5万円、2年目に入ると約10万円の月給から寮費などを引いた約7万円を手にした。寮の庭でダイコンやカボチャを栽培して食費を切り詰め、2年間で王さんは120万円、李さんは170万円を中国の家族に送金した。

2人が問題視しているのは残業に対する報酬だ。

研修生側が時給ベースで不当性を訴えるのに対し、組合側は歩合制を主張する。「糸切りなどの作業1点に5円や10円を支払う内職で、時給の仕事ではない」と同組合の理事長は反論。主張は交わらず、王さんたちは民事訴訟の準備を進めている

「こんな言葉は使いたくないが、今回は裏切られたという思いがあります」。強い言葉で心情を吐露する理事長は「少しでも手取りを増やしてほしいと思って内職を回したのに」と語る。組合が6年間で300人以上の中国人を受け入れてきたという自負もある。「私は実習生に恵まれてね。帰国してからも、毎週のように電話してますよ」。自ら経営する工場の事務所には、歴代の実習生が着物を着てほほ笑む写真や、実習生から贈られた記念品がところ狭しと飾られている。

一方、中国人の2人は今、「平静に仕事が続けられさえすればいいと思って、我慢していた」と不満を並べる。パスポートと通帳を会社が保管したこと、8畳に2段ベッド三つを入れて6人で暮らしたこと…。社長は否定するが、「トイレに行く時間を計られた」とも話す。

研修・実習生制度の本来の目的は途上国への技術移転にある。だが、「正直言えば、労働力としての認識が強い」と理事長は明かす。その認識は2人も共有している。「中国に帰っても、元の工場には戻らない。こっちでの仕事は、生かせそうにないから」

服飾産業の末端に位置する地方の下請け工場。そこで働いていた日本人と外国人の間でどんな思いが共有され、どんなズレや溝が生じていたのだろうか。「中国人のせいで倒産に追い込まれた」と憤る社長に対し、「(倒産で)払うべき給料を免れるのはおかしい」と主張する2人。距離はあまりにも遠い。
(西日本新聞 2010.1/8)

▼外国人研修生・実習生制度

外国人研修生・実習生制度は、開発途上国への技術移転を口実に1993年にスタート。1年間の研修を経て、労働関係法が適用される2年間の技能実習に移行するが、実態は技術を必要とする貧困途上国からの研修生は皆無で約7割が経済成長目覚しい中国籍の貧困層。国産を作る低賃金の労働力(JITCOの2008年調査で研修手当の額は、月額「6万円以上8万円未満」が最も多く、全体の79.8%)の要素が強く1~2年で入替わるケースが多い。
しかし、7月に施行予定の改正入管法は在留資格を「技能実習」に統一、来日3カ月目から労働関係法が適用され最低賃金法で地域が定める最低賃金額以上の額を支払う事となる。

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海外で低価格で生産され、既に無要の長物となりつつあった産業は、技術を高める事を怠り3K(危険、きたない、きつい)を言い訳にして途上国への技術移転を名目に中国の貧困層に活路を求めた…。今回「総力報道!THE NEWS」の問題提起と西日本新聞記事の検証で明らかとなった事は、中国で報道され中国人が問題にしている①研修・実習期間の補助および給与が低い。②日本企業によるピンハネ、給与未払いが深刻。③研修生の人身の自由を制限する状況が一般的にまかり通っているなどではなく‥国際結婚と同様に最も儲かっているのが中国人ブローカーであり、続いて中国人実習生で、貧乏くじを引いたのは低価格の中国製品と同じ土壌で競おうと選択を誤った日本企業と月13万円どころか、今や1日3時間程度の日雇い派遣を取り合いにしている未来のなき日本人だ。(既に韓国で中国人受入で韓国人雇用が失われ問題になっていたのに未だに軽視している)

そもそも日本で給与が低いと言っても、衣住があるのなら食費だけで2万円程度でも月生活できるだろうし、実際日雇い派遣で食費を切り詰めている人は沢山いる。「公設派遣村」で支給された現金で酒やたばこを買っていたことが問題になっていたが、突然解雇され劣悪な寒空の下で明日なき生活(遭難)をしていたかれらが、かっての平凡な日常を思い起こし生きる希望を持つには必要だった筈だ。
中国人実習生は人権派支援者の後ろ盾があるのだから、一攫千金のために仕事をボイコットし爪を変色ぐらいは装うだろう。中国・江蘇省での月収が約1200元(約16,000円)なら、2年間で彼女らが稼いだ120万円なら江蘇省での75ヵ月分で6年以上、170万円なら106ヵ月分で8年分稼いだこととなり、未来なき日本人のワーキングプアとは全く違う。

企業側の「低賃金を求めて企業が海外にいくから日本国内では雇用が生まれない」立場と、人権派を謳い日本国内に中国最下層をわざわざ招き入、生活を奪おうとするTBSや弁護士・ボランティア等の支援者を非難だけしても、かれらの実行動の前には全く無力だったが、これらを解消する「切り札」となるのが、新政権の掲げている『製造業の派遣原則禁止・最低賃金を時給1,000』の実現だ。
低賃金を求めて企業が海外にいくと国内で確かに雇用は減少する‥。
しかし、外国人実習生は現在約20万人(7-8割を中国人実習生)もおり、かれらが労働力として使われている以上、末端企業らの言い分「1,000円だったらかえって雇えなくて雇用情勢がかえって悪くなってしまう」は建前で現状日本人の雇用は殆ど齎してはいない。

国際貢献を掲げながら「技能実習」廃止は与野党問わずどの党にも期待ができない(可能性は国益重視の平沼グループ)し、グローバルスタンダードからチャイナスタンダードに傾く現状では、中国人観光客受入と経済交流を深める事は重要だ。
しかし、中国国内の格差は中国人同士の問題であって、反日貧困層のなだれ込みによる浸食だけは、日本人の手で阻止しなくてはならない。
そのためには、人権派を謳うかれらを活用し中国国内で“日本での未払い問題”をかれらの十八番である誇張で過熱をさせながら‥、国内事業者が中国人実習生受入に伴うメリットを皆無にし、双方のデメリットを広く浸透させる事が重要だ。
鳩山連立政権は「将来ビジョンが無い」「まずは景気を良くしてくれなければ仕事がない」と非難されているものの、仮に景気がよくなっても、このまま「中国人の技能実習」が野放しのままで現状に甘んじていると、チベットのように浸食されて同じ悲劇を辿る事となる。

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