深谷市議ら「選挙違反」前提捜査 “正当性強調”

埼玉県警は逮捕した市議の支持者に「うその供述を強要」させたと抗議されていた問題で、調査結果を22日「捜査違反なし」と公表。
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だが、保身を優先する警察がつくった不透明なチームの報告「支持者24人のうち、16人は苦情の申し出をする意向がなかった」は、正当性を強調するため“うその供述を強要”し24人中、16人が屈した結果だとしか思えず信用できない。



灰色決着、真相どこに 深谷市議起訴猶予

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起訴猶予処分を受けて取材を受ける永田勝彦市議=22日午後、深谷市内

深谷市議選をめぐる公選法違反(供応買収)容疑事件で、さいたま地検は22日、永田勝彦市議らを起訴猶予処分にした。地検の判断に対して、市議や支持者側は「会費の支払いはあった」と不満を口にする一方、県警側は「任意性を損なう取り調べはなかった」と調査結果を発表した。双方の主張が真っ向から対立した処分結果が出され、真相が曖昧なままの幕引きとなった。
永田市議夫妻の勾留期限だった5月28日を2日後に控えた26日、一部新聞で県警が支持者にうその供述を強要したとの疑惑が報道されてから、事件は異例の展開をたどった。報道があった同26日、警察庁の安藤隆春長官は「埼玉県警に対し、報道で指摘されたことを含めて必要な調査を行うように指示した」と発言。県警は約1カ月にわたる調査を実施し、問題はなかったとする結果をまとめた。
取り調べを受けた支持者らは、「朝から夜まで連日聴取された」、「会費を支払っていないという予断をもって捜査に当たっていた」などと訴えていた。捜査に従事していない職員で組織された県警の調査チームは、それぞれの事例について、捜査員や支持者に聞き取りを実施。関係資料を詳細に調べた。
その結果、1人当たりの取り調べ平均日数は7・5日(最多は16日、最少は1日)、1日当たりの平均時間は4時間42分だったことなどが判明。調査に応じた支持者24人のうち、16人は苦情の申し出をする意向がなかったという。このような状況から、問題となるような取り調べはなかったとの結論を導いたようだ。ただ、門井由之総務部長は「結果については、規定にのっとり適正に配慮していきたい」と述べ、相手に応じてきめ細かな対応をしながら取り調べを行う必要性を認める。
さいたま地検は永田市議らの容疑について、供応買収の罪を認定しながら起訴を見送った。村田達哉刑事部長は「起訴猶予処分となったことを真摯(しんし)に受け止め、今後の捜査に生かしていきたい」と教訓とする意向を示した。

■会費支払い認定してない 地検
さいたま地検は永田市議を処分保留で釈放後も、継続して捜査を実施。供応買収の罪を認定しながら起訴しないという、起訴猶予処分の判断を下した。信田昌男次席検事は「現金をばらまく場合と、今回はある程度違うのではないか」と見解を述べる。
検察側は永田市議夫妻が逮捕、勾留された容疑である1人当たりの会費4971円、計13万9188円の飲食接待のうち、ビールや日本酒などの飲み物代1971円相当、計5万5188円相当が、罪に当たると判断。この部分は有罪に問える証拠が十分あるとしながら、起訴しなかった理由について、同次席検事は「社会通念上、それほど高額と言えない。(1971円相当は)あらかじめ決められていたわけではなく、追加注文する中で発生した偶発的な要素もある」と説明した。
だが、料理代金の1人3千円相当、計8万4千円相当についても、地検は永田市議らの疑いが完全に晴れたとの立場にはない。会合に参加した支持者が3千円の会費を払ったことをうかがわせる証拠と、払っていないことを疑わせる証拠の両方があったという。同次席検事は「3千円の支払いがあったと認定したわけではない。嫌疑不十分という意味だ」とくぎを刺す。
事件は2人を逮捕、勾留し、釈放後も結論を持ち越して捜査を続けながら、起訴することはできなかった。同次席検事は「ゴーサインを出した時の判断に問題はなかったが、結果的にこうなってしまった」と言い、見通しに甘さはなかったと強調する。その上で、「起訴に至らなかったのは遺憾だ」と総括した。

■「強引な捜査に猛省を」 永田市議
深谷市議選をめぐる公選法違反(供応買収)容疑事件で、22日に起訴猶予処分となった永田勝彦深谷市議(67)は同日、埼玉新聞の取材に応じて、「3千円の支払いの有無に関して、検察が警察の捜査結果を入れず、当方と支持者の供述を入れてくれた」と地検の処分について一定の評価をした。
ただ、1人当たり1900円の超過料金が供応買収に当たるとされた点については「超過料金発生の事実は知らなかった。会合終了後に妻がやむなく支払った事実を後から聞いたのが真実。いかがなものかと疑念を抱いている」と首をひねった。
永田市議は「会合は3千円の会費制で行い、参加者からいただいている。真実は一つ。徴収がなかったとの前提で、強引な捜査を進めた捜査機関には猛省を求めるとともに、同じ過ちを繰り返さないように強く改善を求めたい」とした。
一方、「起訴猶予」という結果に、同じ深谷市議の反応もさまざまだった。
議会運営委員長の高田博之市議(66)は「永田さんは逮捕前から『会費でもらっている』と私に言っていた。だから、逮捕されたときはびっくりした。無実だと信じているので、起訴猶予についてはちょっと不満。慎重な捜査を望む」と話した。

 別の市議は「双方に対して割り切れない気持ちがしている。実態はどうだったのか。これでは全く分からない。分からないで終わってしまうのは割り切れない」と語った。

■「支払ったのに」処分結果に不満 支持者
永田勝彦市議や妻、接待を受けたとされる支持者らをさいたま地検が起訴猶予処分としたことを受けて、支持者らは「会費は支払っており、結果は非常に不満。取り調べで不当な扱いを受けたので日弁連に人権救済の申し立てをしたい」と訴えた。
会合に出席した支持者男性(63)は「会費3千円は支払っている。会費が超過していることは後で報道で知ったのに、なぜ起訴猶予なのか」と憤る。男性は「永田市議を助けるために支払ったと言っているのではなく、自分の正義のために言っている」と断言し、「警察の捜査は人権無視。強制捜査で本当のことが言えずに皆、トラウマになっている」と切望した。
検察の取り調べを受けた際、超過分があることを知った支持者男性(65)は「検事に『超過分はどうするか』と聞かれ、『支払う』と答えた」と説明する。永田市議が釈放された後、男性は超過分を同市議に直接支払ったという。男性は「どうしても気になっていたので支払った。永田市議から領収書を受け取ったが、警察や検察には言っていない」と打ち明け、「そもそも全額を支払っていないとするシナリオを描いて捜査をした警察の取り調べには疑問がある」と首をかしげる。
別の男性は「何度、捜査しても同じ。支払ったものは支払った。代金を支払わずに飲み食いできるなんておかしい。会費は3千円なのだから、今さら超過分があると言われても困る」と顔をしかめた。

■地検にも疑問と失望 永田勝彦市議を弁護する工藤啓介、永野貴行弁護士のコメント
支持者らは会費を支払ったと主張していたが、県警の誤った見立てに基づいて強制捜査が開始されたことに強い憤りを感じるとともに、捜査の実態を見抜けなかったさいたま地検にも疑問と失望を禁じ得ない。
永田氏は会費超過の認識はなく、妻も超過部分を自らの判断でやむなく支払ったことは検察の取り調べでも認定されている。夫妻は当初から負担の意思はなく、参加者は供応接待を受けている認識はなかった。起訴猶予とした地検は、県警の捜査が嫌疑不十分に終わった結果を取り繕うもので、警察に対する指導力を大きく減退させる結果となった。
(2011年6月23日(木) 埼玉新聞)

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深谷「選挙違反」市議ら起訴猶予 県警など 捜査の正当性強調
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「1900円の差額の認定には疑念が残る」と話す永田勝彦市議=深谷市で

四月の深谷市議選をめぐる公職選挙法違反容疑事件で、支持者らが任意聴取で虚偽証言を強いられたと県警に抗議していた問題は二十二日、永田勝彦市議(67)らの起訴猶予処分が決まった。支持者からは「良かった」「ほっとした」との声が上がる一方、県警とさいたま地検は捜査について「問題がなかった」と口をそろえた。
「市議が今後も活動できると聞いて、ほっとした」。会合に出席した支持者の無職男性(70)は、胸をなで下ろした。
永田市議は深谷市の自宅で取材に応じ「これまでと変わらず、(議員活動を)一生懸命やる」と話した。一方、同地検が、一人につき会費との差額約千九百円分の供応を認定したことについては「おかしい。高齢者や酒を飲まない女性もおり、疑念がある」と述べた。弁護人の工藤啓介弁護士も「起訴猶予はあり得ない裁定」とコメントした。
一方、県警は門井由之総務部長と村田達哉刑事部長が、取り調べの調査結果を発表。支持者に対する任意聴取が長時間や連日にわたったことを認め、「一層きめ細かく配慮する余地があった」としたが、「供述の頻繁な変遷や他の証拠・証言との整合性もあり、吟味する必要があった」と捜査の正当性を強調。
同地検の信田昌男次席検事も「起訴に至らなかったのは遺憾だが、捜査に問題があったとは考えていない」と述べた。
支持者からは「会費の割に酒が多かった」「永田さんや後援会がどうにかしてくれると思った」という声がある一方、ある男性(65)は「強要に近い捜査。二十人以上で人権救済を申し立てる予定」と憤る。この問題は一つの節目を迎えたが、捜査機関と支持者には隔たりが残ったままだ。 (水越直哉、中里宏、池田宏之)
(2011年6月23日 東京新聞)

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深谷市議らを起訴猶予 選挙違反事件接待額少ない
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埼玉県の深谷市議選で支援者らに飲食接待をしたとして逮捕された市議と妻について、さいたま地検は、起訴猶予処分としました。
永田勝彦市議(67)と妻(64)は支援者ら28人に飲食接待し、票の取りまとめを依頼した疑いで先月に逮捕されました。その後、支援者らがうその供述調書にサインさせられたとして警察に抗議文を提出していました。さいたま地検は、支払われた飲食代の一部が接待にあたるとしましたが、額が少なかったことから起訴猶予処分にしたということです。永田市議は、すでに処分保留で釈放されていました。埼玉県警は22日、捜査に問題はなかったとする調査結果を公表しています。
(06/23 00:05 テレビ朝日)

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埼玉県警:虚偽証言強要疑惑 深谷市議、起訴猶予 県警は「捜査違反なし」

埼玉県深谷市議が逮捕された選挙違反事件を巡り、支持者の住民が虚偽の証言を強要されたと抗議していた問題で、県警は22日、「任意性を損なう取り調べや規則に反する行為はなかった」とする調査結果を発表した。「高齢者が多くきめ細かく配慮する余地があった」と反省点があったことも認めた。一方、さいたま地検は同日、公職選挙法違反(供応買収)容疑で逮捕後に処分保留で釈放されていた永田勝彦市議(67)と妻(64)について、起訴猶予処分とした。
事件を巡っては、住民らが「会合の会費を支払ったのに『払っていない』という証言を強要され、意に沿わない調書に署名させられた」と訴えている。
これについて調査結果は、「すべての供述調書は読み聞かせたうえで署名している」と、住民への虚偽証言強要を否定。「連日の取り調べで体調を崩した」との住民の主張に対しては「(住民の)意向や体調を考慮した」とした。
その一方で、住民に高齢者が多かったことなどから「趣旨が正確に伝わらなかったり、無用の誤解を与えた可能性を完全には否定できない」「連日の取り調べなどは、相手の年齢、境遇、事情などに応じて過度の負担にならないよう配慮する余地があった」とも指摘した。
永田市議は2月に市内で開いた会合で住民28人に票の取りまとめを依頼する報酬として1人約4900円の飲食を提供したとして、5月に逮捕された。県警は「住民は会費を支払っていない」としていた。
しかし、地検は、永田市議が提供した約4900円分の飲食と、会費3000円の差額約1900円分を住民への接待と認定。信田昌男次席検事は「社会通念上、それほど高い金額とは言えない」と起訴猶予の理由を説明した。現職市議を逮捕しながら起訴に至らなかった点については「遺憾」と述べた。
(2011年6月23日 毎日新聞 東京朝刊)

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県警「任意性損なってない」 地検、深谷市議を起訴猶予

埼玉県深谷市議選で有権者28人を飲食接待したとして公職選挙法違反(供応買収)容疑で同県警に逮捕され、その後釈放された永田勝彦市議(67)と妻(64)について、さいたま地検は22日、不起訴(起訴猶予)処分にしたと発表した。
永田市議らは「会費3千円は集めた」と容疑を否定していた。不起訴とした理由について地検は「有権者が会費を支払っていないことをうかがわせる証拠もあったが、真偽は不明だった」と説明。また、飲食代は1人4971円で、仮に会費を支払ったとしても差額分の1971円は供応接待にあたると認定したが、「社会通念上、高額ではなかった」などとして起訴処分を見送った。
この事件では、埼玉県警の取り調べを受けた複数の有権者が「虚偽証言を強要された」と訴えていた。警察庁の安藤隆春長官の指示を受けて調査していた県警は同日、「任意性を損なうような取り調べはなかった」とする報告書を公表した。一方、永田市議は「強引な捜査を進めた捜査機関に猛省を求める」とのコメントを出した。
(2011年6月23日1時3分 朝日新聞)

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公選法違反容疑の深谷市議と妻、不起訴に

.埼玉県深谷市議が公職選挙法違反(供応買収)容疑で逮捕された事件で、さいたま地検は22日、処分保留で釈放された永田勝彦市議(67)と妻文恵さん(64)について不起訴(起訴猶予)とした。
2人は2月中旬、深谷市内の飲食店で、支持者ら28人に票の取りまとめなどを依頼し、1人あたり4971円相当の供応接待をした疑いで県警に逮捕された。
地検は、会費3000円分を除いた飲料代1971円分が供応買収にあたると認定。「社会通念上それほど高額とは言えない」としたが、支払いや供述強要の有無が焦点となっていた会費については「立証上の難点がある」として嫌疑不十分とし、立件を見送った。
会合に出席し同法違反(被買収)の疑いで書類送検されていた支持者ら28人全員も不起訴(起訴猶予)とした。28人の大半は、県警や検察から任意で事情を聞かれた際、強要や執拗(しつよう)な追及があったと訴えていた。中には、会費を払ったと主張したのに、検事が「支払っていない」とする調書を作成したという人もいた。
しかし、信田昌男次席検事は「捜査過程で特段の問題があったとは考えていない」と述べた。県警は同日、「任意性を損なうような取り調べや、予断を持って捜査を行った状況などは認められなかった」との内部調査の結果を発表した。
永田市議は「(1人あたり1971円の)超過料金について犯罪の成立を認め、起訴猶予とした地検の判断は遺憾」とのコメントを出した。
(2011年6月22日23時11分 読売新聞

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深谷市議と妻、起訴猶予へ さいたま地検、買収容疑事件

埼玉県深谷市議選で有権者を飲食接待したとして公職選挙法違反(供応買収)容疑で埼玉県警に逮捕され、釈放された永田勝彦市議(67)と妻(64)について、さいたま地検は22日にも起訴猶予処分にする方針を固めた。飲食費の一部については市議側が負担していたが、少額であることなどを考慮したとみられる。
この事件では、県警の取り調べを受けた複数の有権者が「3千円の会費を払ったのに、払っていないという虚偽の証言を強要された」と主張し、県警と地検に抗議文を提出していた。
永田市議らは同市の飲食店で2月中旬に有権者28人を接待し、票のとりまとめを依頼した疑いで5月8日に逮捕され、同27日に処分保留で釈放された。捜査関係者によると、事前に配布された案内状の会費は1人3千円だったが、会合が開かれた店側の記録によると実際の飲食代は約4900円だった。
(2011年6月22日5時1分 朝日新聞)

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深谷市議と妻を起訴猶予=支持者接待「高額でない」-選挙違反事件・さいたま地検

4月の埼玉県深谷市議選で支持者を接待したとして、公選法違反(供応買収)容疑で県警に逮捕され、処分保留のまま釈放された永田勝彦市議(67)と妻(64)について、さいたま地検は22日、起訴猶予処分とした。
また、強引な取り調べを受けたとして市議の支持者から抗議を受けた県警は同日、「供述の任意性を損なう調べはなかった」とする調査結果を公表した。
地検によると、永田市議らは2月中旬、深谷市で支持者ら28人を集めた会合を開催。会費は1人3000円で、実際の飲食費は約4900円だった。信田昌男次席検事は、会費を超えた約1900円分の飲食接待について「社会通念上、高額ではなく、超えたのは参加者の追加注文で偶発的だった」と述べ、起訴を見送った理由を説明した。
(2011/06/22-23:33 時事通信

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